不倫したい

「不倫したいわ」と奥さんが、僕に視線も合わせずため息をついた。
悪いのは僕なのである。サラリーマン生活にどうしてもなじめず、個人事業を起こそうと奥さんの親からもお金を借りて一念発起して念願だったうどん屋を開店したのだが、ものの見事に半年でつぶれた。そして、借金だけが残ってしまったのである。その結果が冒頭の奥さんのお言葉だ。
「金持ちの資産家と不倫して青春を取り戻したいわ」なんて言っている。僕みたいな金も稼げない男に嫁いだばっかりにとんだ災難に遭った女性だ。まあ、確かに熱い恋愛の末にゴールインした僕たちではあったが、彼女の誤算が僕の経済能力査定を読み誤っていたことだろう。金の稼げない男には価値はない。その意味では、僕は彼女の旦那としては失格であり、もはや奥さんの考えにあれこれ言う資格はない。奥さんが不倫をしたいのならばそれは許すべきだろう。
もっとも、不倫くらいは大目に見てもいいのではないだろうか。まあ、そのまま、持って帰られることもあるまい。その点は安心している。言っちゃ悪いが、僕は彼女の人柄に惚れたのであって、たぶん全日本人女性の一般的ルックスの価値に順位をつけるならば、圧倒的に下から数えた方が早い。
不倫の出会い
だから、僕の預金通帳が息を吹き返すまでは、金持ちの資産家と不倫していてもらった方が僕もありがたい。ついでに資産家から生活費も引っ張ってきてくれたら言うことはない。
ただ、そんな不倫が成立するならば、僕が大富豪の箱入り娘と不倫したいくらいだ。ついでに資金も援助してくれたら言うことはない。だったら、多少の容姿は目をつぶってもいい。なので、奥さんも金持ちの資産家が多少人間離れしていたり、ちょっとだけ変態でも頑張って不倫をものにしてもらいたい。
よって、奥さんの「不倫したい」願望を僕は許すことにした。願わくば僕が借金の返済を終えるまで金持ちの資産家と幸せな不倫をしてもらいたい。
僕が奥さんに意向を伝えようとしていると「私も働くよ。頑張ろう」という彼女の言葉が聞こえた気がした。だけど、僕の頭の中は不倫でいっぱいいっぱいだった。
セックスしたい
セックスしたい